2024年02月05日

俵山第1トンネル現場見学会

 俵山・豊田道路は、令和元年に開通した俵山北ICから豊田町一の俣温泉近くまでを結ぶ14キロの自動車道路。山間部だからトンネルをいくつも造ることになる。

 最初のトンネル工事は昨年7月頃から始まった。付近の世帯は説明会などが何度も開かれている。俵山に暮らしていても、郷地区以外の住民は工事の内容をほとんど知らないのだ。2月1日、長門市の計らいにより現場見学会が行われた。25名限定のお達しだったが当日は30名いたから締切後にわれもわれもと申し込みがあり断り切れなかったのだろう。俵山公民館に集合した住民をマイクロバスが現地まで運ぶ。県道から工事用道路に入ると勾配が急になった。現場の近くに墓地がある。その角度を人が登ってお参りしていたのだ。車窓の眺めに妙に感心しながらバスはゆっくりトンネル坑口へ向かう。

 視界が開けた場所が広がった。どれだけ削ればこの山に平らな場所が作れるのだろう。そこにはコンクリートを作る建屋、変電設備、湧水浄化槽などいろいろな設備がある。この現場は全長278メートルのトンネルを掘っている。安全祈願祭が終わった昨年9月から、本格的な掘削に着手し、この5カ月間で約200メートルの穴をあけた。全工程の3/4だ。作業は昼夜を問わず行っている。里山勤務が終わる20時過ぎに現場近くを車で走ると、ナイター照明の白銀色が背後の真っ暗な山を照らす。その時間は霧が昇り始めるから幻想的な冬の夜景が現れる。

 トンネルは1日、24時間の作業で数メートルの前進。1メートル掘っては半円状の壁をコンクリートで固めて枠をはめる。来る日も来る日のこの繰り返しなのだ。作業は複雑だが同じことを繰り返す。これまで労働災害事故は無いと聞いた。貫通まで気を抜かずに正確に、安全に行うという。大きな穴を開けるのだから建設機械は見たことのないスケールだった。大型ダンプのタイヤは直径が女性の身長より高い。タイヤの前で記念撮影をする地区民がいた。農業で使うトラクターやコンバインでも後方確認の視野が狭いのに、これだけの大型重機はどんなコックピットなのだと聞けば、AIによる人感知システムが搭載されていた。車両後方にいくつかカメラがついている。3メートル以内にヒトを検知すればアラートが発動してオペレーターに知らせる仕組みだ。

 道路を作るといってもいろんな工事がある。トンネル掘削、道路舗装、橋梁設置、そのための土地や土質の改良など。それを得意とする建設会社が各々の工事を受け持つ。今回見学した第1トンネルは佐藤工業と高橋工務店が掘削する。このトンネルに繋げるため、230メートルの橋が架かるが、それは別の工務店が受け持つ。全国各地からスペシャリストが工期の間だけ俵山に集結する。たとえが巧くないが、万国博覧会を見ているようだ。万博は永遠に続かない。終われば建造物はその土地のモニュメントとして残り、利用できる設備も多い。道路ができるというのは移動の快適さのほか、災害時のルート選択肢が増える。危険な箇所がないから安全に走行できる。俵山を通過する交通量が増えれば何かの化学反応に期待が膨らむ。

 このまま順調に掘り進めば貫通は3月。それまでのひと月余り、無事を祈るばかり。その後も俵山・豊田道路の工事は続く。この第1トンネルに携わる職人さんは、別の現場に向かうことになる。次の現場で俵山のことを僅かでも思い出してくれると嬉しい。里山ステーションの弁当のおかずの事でもいい。配達や集金に伺ったうちの職員の顔が浮かべばなおのこと。

posted by ゆうゆうグリーン俵山 at 12:27| 猿人ブログ