2024年01月22日

どんど焼き

 1月は正月気分もそこそこに、受験生はいくつかある関門を開けて通らねばなりません。受験といえばお守り、お参り。交通安全、新車、新築の祈願、祭りごとの縁起物など家庭には何かしらございます。正月飾りもそうです。神様を迎えるための飾り物を燃えるゴミ袋に入れて処分することに抵抗を感じない方もいますが、粗相があってはいけないから昔ながらの儀礼に従いたいと願います。

 20日土曜日、かねてより告知してきたどんど焼きを行いました。集まった住民は関係したスタッフを含めても30人に満たない。正直に申し上げると意外な結末です。10年くらい前まで湯町地区で行っていたとの話しを複数から聞き、今年は復活、再開のどんど焼きだから楽しみに待つ住民が集まると勝手に盛り上がっていたのです。俵山はどんど焼きの風習を忘れてしまったのかと疑いました。

 初詣参りの神社では、一角に縁起物を預ける場所を設けているところがあります。長門市は節分祭でどんど焼きをするところがいくつかあり、深川の飯山八幡宮や仙崎の八坂神社がそうのようです。俵山各自治区には古い小さな祠が残っていたり、木津の西念寺、郷の能満寺、正福寺、上政であれば須賀神社、湯町の熊野神社など厳かなスポットが点在します。筆者が知らないだけで、自治区単位の祭りに、どんど焼きの役目を含めているのかもしれません。

 年のはじめの書初めを燃やして天高く舞えば字が上達し、さらには賢くなるとの言い伝え。ですが最近の子どもたちに話を伺うと、「一心不乱に書いたものを燃やすなんてひどい話しだ」と返ってきますから、伝統行事だからと押し付けることはよくありませんね。復活させた今年のどんど焼き、お互いが所作、作法など右往左往です。気が付けば小雨がときおり落ちる空は鈍色で火から離れると肌寒い。あったかいものを来年は提供しようねと話しました。おしるこ、甘酒などがあれば集まった住民は喜ぶだろうな。


posted by ゆうゆうグリーン俵山 at 15:00| イベントのレポート

2024年01月19日

里山弁当のはなし

食べるところ

 ここに住んでいる方も遊びに来る方も、お昼をどうしよう、どこで買おうか食べようか、考えられる店はとても少ないのです。まっさきに向かうとしたらYショップ俵山(俵山4907-2)。俵山農協です。弁当は販売していませんがヤマザキパン、カップ麺、おむすびなどがあってコンビニ感覚で立ち寄ります。ただし日曜日は定休。
 次に考えるのが俵屋商店(俵山5076-1)。酒屋さんですけどパンやお菓子なども置いてあります。ほぼ無休です。俵屋さんから温泉街を歩いて1分ほどにある白猿の湯1階「湯久里倶楽部」は、野菜など産直品と長門の土産物を扱うお店。ここに当法人が作って配達する弁当を置かせてもらっています。ただ、数量は多くありません。
 俵山で食べるものが買えるお店はこれだけ。
 飲食店は昔に比べて増えました。馴染みのお客が集う店、温泉に入った方が立ち寄る店、いろいろ。そのすべては俵山温泉街の中にあります。温泉街を離れると食べ物屋さんはない。『帰れマンデー見っけ隊!!』のロケ班が長門を訪ねたら俵山を終着に選ぶでしょうね。

宅配事情

 食品スーパーの無い地域で便利なのが宅配サービスです。当法人も利用するコープやまぐちのおひさま号は、火曜日に俵山へ上がってきます。カタログを見て、マークシートで注文すれば翌火曜日に配達されるシステム。盛りだくさんの食品や雑貨のカタログを眺めるのは楽しい。食品の安全性にこだわりを持つグリーンコープの車も地区内を走ります。宅配ではないのですが、生協やスーパーフジの移動販売車も週に1日まわります。食品はカタログじゃなく見て確かめて買いたい人、販売員と会話を楽しみたいなど事情に合わせて買物先が選べます。
 これだけのサービスが提供されていれば、お昼ごはんに悩むことはないだろうという想像は現実とかけ離れたもの。目が悪く耳が遠くなる高齢者によっては、宅配、個配はクリアできないステージなのです。

里山弁当を作るひと

 里山ステーションは土日を除き毎日弁当を作ります。調理員は2名。弁当の数が50食を超えると職員が応援に入ったり、最初から調理員3名に変更しますが、基本は2名が8時半から11時までに40食前後を仕上げます。それと、俵山幼児園の給食用に、その日の献立からおかずメニューを配達用容器に盛り付けて、スープ類と一緒に準備します。
 調理員はすべて俵山在住の婦人でもっとも若い方は40代、上は80代まで20名ほどおりまして、中心世代は60代後半です。主婦で農業をされていたり、俵山の旅館業に関わる方など弁当のほかに仕事を持ちます。当職員が毎日の献立を月ごとで計画し調理員に渡し、食材は肉と魚を事前に手配します。肉は長門産の深川養鶏の鶏肉がメイン、魚は専門業者の骨抜き素材を使います。その他は2名の調理員のうち、リーダーの女性が野菜などを買い足したり、俵山産の品物を手配します。リーダーは元給食センターにお勤めの方や、大きな学生寮の寮母さんをされていたり、地区で食品加工を手がける女性など複数の人材が集まっています。
 リーダーは調理の段取り、味付け、盛り付けまで指示します。弁当作りにおいては、2名の関係性が相当に大事。当職員は献立を考えるとともに、調理員の人事手配を進めるうえでチームの相性に最も気を配ります。
 調理員とリーダーは毎日変わります。同じリーダーが2日続けて勤務することは緊急を除いてありません。日替わり弁当の献立も月30日で被るものはなく、リーダーも変わることから、同じ弁当を作ることがまず無いと考えられます。メインメニューが「豚肉の生姜焼き」でもたれの味付けがリーダーにより異なるためです。大量生産のチェーン店ではありませんので、これこそが里山弁当の差別化ポイント。それぞれの家庭の味付けがあらわれる。毎日、違うシェフの料理が味わえる。作り手が60代だから辛くなく、薄味になるけど旨味がある。脂っぽい料理がない。「ヤンニョムチキン」の日でも幼児園の子どもたちが食べられるほどの甘辛さにまとまります。

弁当の配達

 ひとりの利用者を除いて、すべて配達します。里山に見える男性は当職員をよく知るダンディーな方で、受け渡しのちょっとした立話しが楽しめます。そのほかは配達車が地区を回るのですが、みなさま、俵山の地形をご存じないでしょう。人口900名ほどの山郷はこじんまりとまとまっておりません。
 里山ステーションのおかれた大羽山交差点を支点に、放射状に道が分かれていると言えます。方言なのかどうなのか、わたしらは「浴(エキ)」と呼びます。浴に沿って市道は伸び俵山10地区が形成され、それぞれを繋ぐ環状線はない。あっても凹凸のある林道だから配達車が最低2台必要。1台ですべて回ろうとすると60分では収まらない。作りたての弁当が冷めてしまいますので2台で配達します。
 配達料金は取りません。里山弁当を始めたきっかけは10年ほど前の事。湯本で長門市食の自立支援を行っていた団体が俵山の居宅に弁当を届けていたのですが、降雪や大雨による道路通行止めがその当時はありました。そこで、話しがこちらに来たのです。里山ステーションで自立食の弁当を作り配達を始めました。その頃は毎日5食から多い年で10食くらいと聞きます。
 しばらく続けていると、長門市から自立食支援に認定された住民ではなく、一般の方や近所の職場の人から「うちも、うちも」の声が届くようになって令和6年に至り、俵山豊田道路の工事があちこちで始まってからは、現場事務所の配達もあります。

独居の現状

 ひとり分の食事を用意することがどれだけ煩わしいことか。近頃の配達先を眺めて、独居の高齢者に限らないことが分かります。買物をしても余る、食品ロスは昭和初期に生活された方にとって恥ずべき習慣といわれます。それは食品だけではなく調味料についても同じ。フレイルを予防しようと考える人たちは「お外に出かけましょう」「簡単なものでも作りましょう」と啓蒙されます。コタツに入ってテレビを見続けていれば、そのうちウトウトし気が付けば窓の外は薄暮。
 食事を作る訪問ヘルパーさんの話を聞くと、だいたい冷蔵庫の中身は同じ食材。好みの料理に偏ってしまう。普段食べない料理をリクエストすることはないから、言うまでもなくふたつ、みっつのメニューが繰り返し給仕されます。
 里山の弁当を食べた方から「おいしかった」と声を頂くこともあれば、「〇〇が食べられないから明日は入らないわ」もあります。献立表を顧客にも配っているので、苦手な食材は注文を頂きません。その傍ら、大好物のメニューの日は他の人にお勧めしてくださるケースがでてきます。「これ美味しいから知人に配る」らしくまとまった注文が集まります。毎日いろいろあって、気苦労はあります。それでも、ここまで続けて来られたのは地域みんなの理解の賜物です。
里山ステーションの配達弁当.png



posted by ゆうゆうグリーン俵山 at 18:00| 配食サービス